活用事例

当出版社の書籍を活用して頂いている保育・教育などの現場から寄せられた声をご紹介します。

取り出し指導の現場で

先日届いた絵本『ほんとうにだいじょうぶ?』を、日本語の取り出し指導時間に、中国語が母語の4年生と読んでみました。


この児童は小学校入学直前に渡日したのですが、昨年まで日本語指導を受けていませんでした。
家庭での会話は中国語ですが、中国語の読み書きはいっさいできず、日本語の読み書きも苦手で、会話力と読み書き能力との差がとても大きい児童です。

絵本が日本語の他に4言語で書かれていることを説明した上で、児童が日本語パートを、私が中国語パートと英語パートを読みました。

私が読む中国語が正しいかどうかを児童に聞くと、児童は、それがどういう意味か日本語で得意げに説明してくれました。

母語での読み書きを知らず、日本語にも自信が持てない児童が「自分もできる」と思える体験ができたと思います。

この児童のクラスにはブラジルからの児童もいるので、折を見て担任に「教室でやってみませんか」と提案したいと思います。

(大阪府内小学校 日本語指導員)